2017年度生態学会中部地区大会 
2017年12 月2 日(総会及び大会): 新潟大学 駅南キャンパス「ときめいと」

【総会】

・出席者:浅見崇比呂・井田秀行・大塚俊之・岸本圭子・北村俊平・斎藤琢・崎尾均・鈴木茂信・本間航介・山本聡子・吉竹晋平・和田直也・高田宜武・永田尚志・横畑泰志(以上15名)

・報告事項として,助成金活動が紹介された。今年度は,4件の応募があり,厳正なる審査の結果,以下に示す2件の研究課題が採択された。

1)「巻貝専食ヘビと巻貝の相互作用における左右性の生態機能」宮澤裕太郎(信州大・院・M2)

2)「Contribution of tadpoles to nutrient recycling in lentic environments in Japan」Noelikanto Ramamonjisoa(名古屋大・博士研究員)

・会長の大塚俊之より,平成29年11月20日現在までの会計報告があった。引き続き平成30年度案が示され了承された。

・大学院生や若手研究者等を対象とした研究助成制度案が示され,次年度も引続き実施することが了承された。

・地区会費の廃止に伴い、中部地区会会則の付則第1条の削除が提案され、了承された。

・次年度の中部地区会大会について,岐阜大学において2018年11月下旬頃の日程で開催することとなった。 

・総会終了後,研究発表会(14:10~17:30)が行われた。参加者は72名であり,1題の講演会発表と38題のポスター発表があった。発表プログラムは以下の通りである。


【講演(招待講演)】

1)「豪雪地の旧薪炭ブナ林を用材林として活用しながら原生型構造のブナ林へ誘導する」紙谷智彦(新潟大学・自然科学研究科)


【ポスター発表】

1) 「渓畔林の林床植生に及ぼす渓流攪乱の影響」○伊藤菜美・崎尾均

2) 「巻貝専食ヘビと巻貝の相互作用における左右性の生態機能」○宮澤裕太郎・浅見崇比呂

3) 「人為的撹乱の影響下にある山岳道路端での在来植物と外来植物の標高と季節による変化」○日台雄斗・松浦亮介・佐藤利幸

4) 「名古屋市東部におけるネブトクワガタの生息と樹林環境との関連性」○堀江啓太・大野研

5) 「カントウマムシグサの有効な種子散布者:動画解析と発芽実験を用いた考察」○前田大成・北村俊平

6) 「ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの給餌実験によるノトマイマイの種子散布能力の検証」○松山佑希子・北村俊平

7) 「マツ枯れ海岸林に植栽した広葉樹の活着に及ぼす残存林冠のナース効果」○米山隼佑・紙谷智彦

8) 「早春の写真撮影で得られる混芽数によるブナ種子生産量の推定とその応用」○丸山諒子・小林誠・紙谷智彦

9) 「マツ枯れが激しいクロマツ海岸林に自然侵入したシロダモの天然更新」○中山美智子・紙谷智彦

10) 「窒素循環を指標とした里山評価」○井田勇也・吉川夏樹・本間航介

11) 「モリアオガエル幼生の防衛形態変化に関する野外研究」○柳澤海大・岸田治・阿部晴恵

12) 「ヒノキアスナロ林の更新様式が群落構造に与える影響」○内木翔大・崎尾均

13) 「管理手法の異なる里山棚田景観における土壌動物群集を用いた環境指標の開発」○古郡憲洋・岸本圭子・本間航介

14) 「ニホンザル加害群における資源選択性の時間的変化」○上田羊介・望月翔太・山本圭介・村上拓彦

15) 「佐渡に侵入した外来ヌマエビ ~分布調査と起源の推定~」○星山功太・○包麗奈・間島啓太

16) 「立山における高山植生の分布域変化について -ドローンを用いた植生モニタリング-」○武樋恵利果・楠本成寿・和田直也

17) 「立山に生育するハイマツのリターフォール量の経年変化について」○武田美咲・和田直也

18) 「状態空間モデルを用いた新潟県に生息するツキノワグマの個体数推定」○市川麻衣・望月翔太・山本麻希・浅田正彦・村上拓彦

19) 「森林の断片化がクリの堅果生産とその利用昆虫相に与える影響」○鶴岡建汰・神保宇嗣・梶村恒

20) 「石垣島吹通川マングローブ林の微生物呼吸量の推定」○荒井秀・友常満利・吉竹晋平・大西健夫・岡田美幸・大塚俊之

21) 「常緑広葉樹(ツブラジイ)林における土壌呼吸量の季節的・空間的変動」○國枝秀・大塚俊之

22) 「ドローン(UAV)を用いた写真測量による森林資源量の推定 -カラマツ林を例に-」○TRAN DINH TUNG・清野達之・和田直也

23) 「北極圏と中緯度高山におけるチョウノスケソウの葉形質の比較」○島朱音・玉置大介・唐原一郎・Cooper J. Elisabeth・関川清広・丸尾文乃・和田直也

24) 「新潟にアサザは何クローン残っているのか? ~MIG-seq 法を用いたクローン識別の試み~」○吉田颯汰・竹村衣咲・網本良啓・陶山佳久・間島啓太

25) 「ヤブツバキとユキツバキの送粉様式と種子生産の比較」○片山瑠衣・三浦弘毅・阿部晴恵

26) 「ミズナラにおける萌芽枝形成と抑制芽頻度との関係」○平方広大・本間航介

27) 「冷温帯落葉広葉樹林におけるレジンコア法を用いた土壌圏窒素動態の解明」○稲垣沙耶・吉竹晋平・大塚俊之

28) 「多雪地ブナ林の主要3樹種(ブナ、ハウチワカエデ、オオカメノキ)の根曲がりの特徴(予報)」○頓所佑大・井田秀行

29) 「茅葺き屋根材としてカリヤスが持続的に利用されている茅場の維持過程」○森谷まみ・井田秀行

30) 「分散能力の異なる樹木の遺伝的構造の比較-南部フォッサマグナを中心に-」○阿部晴恵・渡辺洋一・長谷川雅美

31) 「武蔵の国(埼玉県と東京都陸域)およびリニア新幹線予定ベルト地域のシダ植物種密度と種組成の30余年間での変遷可能性」○佐藤利幸・菅原康剛・松浦亮介・長谷川慎平・田中崇行

32) 「Contribution of tadpoles to nutrient recycling in Japanese paddy fields」○Noelikanto Ramamonjisoa, Yoshihiro Natsuhara

33) 「佐渡島東浜地先におけるアワビ類とサザエの生息地環境評価」○濵岡秀樹・伴田裕之・佐藤智則・池田大悟・石本綾子・藤田利昭

34) 「3 次元データを用いた着生植物の分布調査手法の開発‐途中報告-」○丸尾文乃・和田直也

35) 「富山県の主要河川水系における水生昆虫相の変遷について」○鈴木茂信・横畑泰志

36) 「佐渡島と本州のヤマアカガエルの形態比較」○藤野光種・小林誠・阿部晴恵

37) 「長野県北部の豪雪地の古民家にみるブナ材利用の特徴」○井田秀行

38) 「スギ・ブナ混交林の森林斜面上におけるシダ植物群集の生態分布」○大杉周・佐藤利幸

ポスター賞に応募のあった30名中、次に示す3名(2題、1題は連名)が「優秀ポスター賞」に選ばれ、表彰が行われた。
宮澤裕太郎 (信州大学総合理工学研究科)
星山功太 (新潟明訓高校 生物部)
包麗奈(新潟明訓高校 生物部)


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