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会長からのメッセージ −その52−

「最近の動きから」

 すこし秋らしくなってきたと思っていたら、またまた暑い日が続いております。日本生態学会の事務局も夏休みで、のんびり過ごしていると思っておられるかもかもしれませんが、働いておられる方は、この期間中も働いていただいているのです。 今年は、選挙の年、それから名簿作成の年に当たっている。個人情報ということが言われるようになってから、名簿作成にもなにかと気を使う。しかし、名簿なしでは困ることが多い。特に、学会の仕事をお願いしたいときには名簿は必須である。たとえば、編集委員などをやっていて、さて査読をどなたにお願いするか、といったことが頭に浮かばない。そんなときは名簿をぱらぱらとめくる。目に付いた方にお願いすることもあれば、全く関係のない方が、どういう連想からか頭に浮かんでくる場合もある。ただし名前や所属あるいは電話などを公開したくない方には、その部分を伏せて印刷することになる。

 選挙は会長選挙、それから全国委員の選挙です。

 次期会長は矢原さんに決まっているから、2年半後の次々期会長を今から選んでおくわけですね。早すぎるような気もするが、半年後には次期会長になる。次期会長は副会長という意味もあり、会長見習いとしてこき使われることになっているから、今、決めておくことが必要なのだ。会長選挙は誰を選ぼうと自由なのだが、20年ほど前から、全国委員会があらかじめ5名ほどの会長候補を選ぶという制度になっている。この5名から選ぶ必要は必ずしもないのだが、実際は必ずこの5名の中から選ばれている。会長の僕が言うのもへんなものだが、なんのためにこういう制度になっているのか、よく解らない。集計の便宜を計るためという説もあるが、実は会長選挙の集計は、連記制の全国委員選挙の集計ほど大変ではない。

 ところでその全国委員選挙だが、前回から、やはり5名ほどの名を参考までに挙げるということになっている。こちらのほうは意味がはっきりしている。ふつうに選挙をすると、全国委員というのは大体「おじさん」ばかりになってしまう。しかもその顔ぶれが固定してしまっているから、だんだん平均年齢が上がってくる。「ここ10年ほど顔ぶれが変わっていない」と鷲谷前会長が仰っていたが、まさかそれほどのことはないと思うものの、高齢化している。こういうことでは、若い人あるいは女性の意見が、学会の運営に反映されないのではないか?これはなんとかしなければいけない。というのがそのときの執行部の総意だった。

 私が幹事長をしていた頃、生態学研究センターの院生だったT君が、積極的に選挙運動をして、全国委員になってくれたことがあった。(選挙活動といっても、10票程集めれば当選してしまうのです)そういう方があと何名かいてくれると有りがたいのだが。しかし実際のところは、皆さん自分のことに忙しいから、待っていたのでは事態は変わらない。ということで、5名の名前を「参考までに」挙げさせていただいたのであった。名前を挙げさせていただいた方のなかには不快に思われる方もあり、「無断で挙げるのは怪しからん」とお叱りをこうむったり、辞退されたり、さらには被選挙権のない方の名前を挙げてしまうという事務局側のミスがあったりしたが、3名の方には、1期間、全国委員を努めていただいた。さて、そんなにまでして何らかの「効果」があったのか。「効果」判定をしてから、今回の選挙に臨むべきではないか。ということだろうが、全国委員に選ばれたからといって、「情報」も「経験」も豊富で口(だけ)は達者な「おじさん」方に伍して、最初からやりあうのは無理だろう。「効果判定」はもう少し長い目で見ていただくことにして、今回の選挙でもこの方式を踏襲することにします。全国委員のなかでも、「選挙の中立性が疑われる」という、しごくもっともなご意見もあったのですが、それでも、この方式しかないだろうということになりました。ただし、名前を挙げさせていただくに際しては、前もって本人の諒承を得るということになっております。そこんとこよろしくお願いします。

 次回の生態学会大会は福岡です。その準備で、企画委員の方々、現地九州大学の方々の間でメールが飛び交い、準備が着々と進んでいて、すでにあわただしい雰囲気です。ところで、その次の大会(盛岡大会)の準備も、実はもう始まっています。参加者1500名を越える大会の準備は大変なのです。準備に当たる皆様、どうぞよろしくお願いします。

▲丁度20年前に、富士の裾野でシンポジウムがあった。エクスカーションは5合目までバスで登って、歩いて下りてくるというものだった。増沢さんが、フジアザミのことなど、色々教えて下さった。