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ダム下流の河川環境回復をめざして 
─ 文理融合の視点から ─

企画責任者: 洲崎 燈子(豊田市矢作川研究所)


概要

愛知県の中央部を流下する矢作川は古くから流域の水利用に大きく貢献するとともに、漁業、舟運といった産業の場でもあった。しかし高度経済成長期の水質汚濁の時代を経て流域住民の生活から遠ざかり、河川水や砂利が過度に利用されるようになった。本流に矢作ダムをはじめ7つのダムを抱える現在、矢作川は河川流量の減少、氾濫の減少と規模の縮小、土砂の流下阻害による河床の低下や固化といったさまざまな問題に直面している。これらの現象は魚類の生息環境の悪化や、カワシオグサのような大型糸状藻類の繁茂といった、河川生態系のアンバランスにつながっていると考えられる。 そこでこれらの現象が顕著にみられる中流部、豊田市の古鼡(ふっそ)水辺公園周辺を中心に、豊田市矢作川研究所が中心となって、水中・河畔の物理的環境と動植物の生態を対象とした研究を行い、ダム直下における河川生態系のバランス悪化のメカニズムを把握するとともに、川をめぐる流域住民の生活の変化を調べ、河川利用のあり方について検討する学際的総合研究を試みた。ここではその成果の一端を紹介したい。

プログラム

コメンテーター 中本信忠(信州大・繊維・応用生物科学)