ESJ57 一般講演(口頭発表) H1-03
*大森亮介(九大シス生)
コイヘルペスウイルスはコイ( Cyprinus carpio )に感染し非常に高い死亡率を持つウイルスであり、1998年以降世界の幅広い地域で流行している。日本でも2003年に流行が起き多大な被害が生じた。
コイヘルペスウイルスは水温に応じて感染力や死亡率が変わるという特徴を持っており、この特徴から対策として、水温を管理し感染や死亡が起きない水温に一時的に維持する方法が考案された。この処置の効果を感染症拡大ダイナミクスを表現するSEIRモデルで検討した。
処置の方法によっては処置をしない状態よりも死亡個体が増加する状況や、出荷時のコイにウイルスが潜伏している状態のコイが多数存在する様な状況が生じやすい事が確認された。以上の様に水温管理による処置は更なる被害拡大の危険性を有しており、コイヘルペスウイルスの流行が確認された場合の処置は、適切且つ詳細な水温管理が不可能な場合コイの全量処分、ワクチンの使用が望ましい。