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ESJ57 一般講演(ポスター発表) P3-264

外来種ハリネズミの捕獲効率

*鉄谷龍之, 笠貫ゆりあ, 安藤元一(東農大), 石井信夫(東京女子大), 小川博, 天野卓(東農大)


本研究は特定外来生物に指定されているErinaceus属のハリネズミ駆除に適した方法と必要な労力を明らかにすることを目的とした。調査地は静岡県伊東市のハリネズミが分布している2か所のゴルフ場であり、周囲の環境としては住宅および観光地が混在している。いずれの調査地でも赤外線センサーカメラによる自動撮影調査、夜間に調査地を巡回することによる目視捕獲およびカゴワナ捕獲(餌に鶏肉を使用)をおこなった。目視捕獲で発見した個体は体重を記録した。また、効率的にカゴワナで捕獲するために、飼育下で誘因物実験をおこなった。自動撮影調査は2008年11月から2009年10月までに3,300CN、目視捕獲は2009年5月から11月までに38日間、延べ180時間おこなった。カゴワナは2009年9月から11月までに11日間、1,010TN設置した。調査期間を通じた撮影率は0.11枚/CN(377枚)、目視による捕獲率は1.11頭/時間(199頭)、カゴワナによる捕獲率は0.02頭/TN(24頭)であった。作業努力量あたりの捕獲数は、カゴワナ捕獲では0.19頭/(調査人数×作業時間)であったのに対し、目視捕獲では0.54であり、目視捕獲が効果的であった。自動撮影調査および目視捕獲から日周期活動をみると、本種は完全な夜行性であり、日没直後や日の出直前よりも深夜に活発であった。季節でみると、自動撮影調査では5月と10月の撮影率にピークが見られ、11月下旬から2月中旬までは活動しなかった。捕獲調査において幼獣の確認された割合は7月と10月に多かった。誘因物実験ではアジ、鶏の唐揚げ、生の鶏肉など動物性の餌の嗜好性が高く、作業の容易さから生の鶏肉がカゴワナに最も適していると考えられた。


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