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ESJ58 一般講演(ポスタ-発表) P3-089

瀬戸大橋島嶼における景観構造変化に及ぼした架橋工事の影響に関する研究―瀬戸大橋・櫃石島と与島の場合―

*張可,大野啓一(横浜国立大学・院・環境情報)


はじめに:本研究では、植物社会学および群植物社会学の手法を用いて、本四架橋の一つである瀬戸大橋の架かる香川県の櫃石島と与島において、橋梁建設前後の植生景観を比較し、その変化から架橋工事が両島の植生景観に及ぼした影響について分析・評価した。また、架橋工事の有無による島嶼間の植生景観の変化に違いがあるのかを明らかにするため、上記2島に隣接し、橋が架からなかった香川県の本島と牛島において、約35年前の植生景観と現在のそれとを比較し、その変化から橋梁建設という開発行為が自然環境に及ぼした影響について分析・評価した。

結果:植生調査の結果、主な植生単位として、自然植生ではトベラ?ウバメガシ群集の他、コウボウムギ群集など各種海浜植生とハマサジ群集など各種塩沼地植生が、代償植生として、コシダ?ウバメガシ群集やコバノミツバツツジ?アカマツ群集やアベマキ?コナラ群集など20個の植生単位が識別された。作成した植生図の比較から、橋梁工事の有無にかかわらず、いずれの島においても自然植生の分布と生育地の面積には大きな変化は認められなかった。また、コバノミツバツツジ?アカマツ群集の林冠木であるアカマツは、いずれの島においても松枯れで大部分が枯死し、相観的にコシダの優占した貧相な林分であった。一方、瀬戸大橋の架かる櫃石島と与島では、橋梁本体や、パ-キングエリアなどの附属施設と架橋工事に関連して開発・造成された採石場や海岸埋立地など植生景観以外の土地利用形態に大きな変化が認められた。


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