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会長からのメッセージ −その1−

「ご挨拶」

 私は今年1月から来年12月まで会長をつとめます、菊澤です。
 (会長就任に当たってのご挨拶は日本生態学会誌の最近号に載せてありますから、ぜひ読んでください。)
 日本生態学会のホームページも、電子化検討委員会の皆様のおかげでだいぶ整備されてきました。もう電子化検討委員会の役割は終わって、これからはホームページを使ってどのように広報を行っていくかが話題になっています。
 「立派なホームページを作っても、頻繁に更新しないかぎりはなかなか訪問してもらえない。」
 というのは空飛ぶ次期会長、矢原先生のご意見。もっともなことなので、会長が率先して、頻繁に更新する記事を書くことにいたしました。頻繁にといっても毎日更新するのはたぶん無理なので、任期の間に、100回更新という目標を立てました。週に1回ないし2回というペースです。ただおそれているのは、まだ決定してもいないことを、口軽く漏らしすぎですよと幹事長に叱られて中断してしまうことである。

  さて、今日の報告は6月2日に行われた常任委員会の報告です。
 といっても、決まった事柄だけを、会議議事録風に書いたのでは誰も読んでくれないだろう、ということで、決まってないことも含めて、リアルタイムで会員にお知らせし、ご意見も聞いていきたいと思っているわけである。
 常任委員会は会長の諮問機関で、何人かの常任委員と各誌編集委員長、学術会議担当委員、幹事長、幹事から構成され、そこに3人の事務局職員が加わる。学会の最高の意志決定機関は総会であり、学会員から選挙で選ばれた全国委員会が会員を代表して意志決定に関わっていて、重大な議案は全国委員会、総会を通らなければ実施されない。そのための原案を作るのが常任委員会であり、年に3回程度の会議を開いている。
 将来計画委員長、自然保護委員長それから学会として行政機関とどう連携をとるかを考える委員の3名を補充しようということが今回決まりました。両委員長は学会としてきわめて重要なポストであるので、委員会に加わって貰おうということである。また行政機関と・・という委員は、
 「各省庁(主に文部科学省や環境省)に生態、環境などに関連する予算がいっぱい流れているのに、生態学にはその予算が流れて来ていない、普段から生態学会としてもロビー活動をやる必要がある」
 という問題提起を受けて、各省庁との関わり方を主体的に考えていただくための委員を選ぼうという意味です。学会としてそんなことをする必要はない、という意見も含めて、柔軟に考えていただけるという方として、アイデアマンであるM先生を候補に考えています。

 新たに、大島賞を設けることについては、日本生態学会誌の大島先生の追悼文にも、会長の挨拶文にも書きました。しかし、具体的な授賞対象に関してはまだ完全な意見の一致を見ていません。私の原案では、生態学会賞の対象者と主として若手に偏りつつある宮地賞との間の世代(生態学会の中心となって活躍しておられる中堅といった方々)を中心に、野外調査で頑張っておられる方を対象にしたいと考えました。
 しかし、中堅、野外と二つも縛りをかけると、あまりにも限定しすぎではないか、という意見があり、せっかく大島先生のご遺志による賞なのに、反対があるなかを強行するのは好ましくないという意見にも配慮して、会則では
 「生態学の発展に寄与している本学会の中堅会員を主な対象とする」
 としました。主なだから、中堅以外の人も対象になりうるという含みが残されています。細則に
 「たとえば野外における生態学的データの収集を長期間継続しておこなうことなどにより生態学の発展に寄与している本学会の中堅会員を主な対象」
 というふうに野外という言葉を残してもらいました。たとえばだから、これまた野外でない人を対象にすることもあってよいわけです。この案で全国委員会の賛否投票をいただき、来年の総会にかけることになります。ことの性質上、全員の一致ということは望むべくもないのでしょうが、このあたりで多くのかたの賛同を得たいと思います。
 なお選考は、賞毎に委員会を作るのではなく、大相撲の三賞選考委員会みたいに、候補者を決めて割り振るようにしたらどうかと思います。(解らない人は、周囲の大相撲ファンに聞いてみて下さい)。

 賞に関して、もっと受賞者を増やすべきではないか、という意見も出ました。他の学会員だと履歴書の受賞というところに書くことができるのに、日本生態学会員にはなにもないのは、就職、応募などの際に不利益である。受賞者は戦略的に増やすべきだ、というわけですね。一つの賞の受賞者を増やすと、その賞の値打ちが軽く見られる。それならばむしろ、賞の数を増やしたほうがよい。というのが私の意見です。賞が多ければ、ある賞が特定の対象に絞り込まれていてもそんなに不満はでないだろう。そこまでで止めておけばよかったんだけれど、ついあらぬことを口走ってしまった。
「僕も死んだら1千万寄付しますから」
その場の口任せではなくそのつもりはあり、貯金している。まだ950万ほど足りないだけである。
常任委員会では他にも重要なことを議論しているのですが、以下は次回に。2006.6.6