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会長からのメッセージ −その48−

「定款」

 法人化に関しては、公益社団法人を目指すという方向が松山大会の総会で認められました。次の仕事は来年の総会までに定款を作るということになります。定款というのは学会の会則みたいなものです。もう既に存在しているじゃないか、と言われるかもしれません。ただし定款にはこういうことが書いてなきゃいけないということが、法律で決まっているので、それに合ったものをつくらなければいけません。会の名称、目的、事務所、理事、社員なんかが差し当たり必要な項目。このなかでは、理事と社員ですね。理事は20−30人くらいの人数ですから、今の常任委員会メンバー程度と考えたらよいかもしれない。あるいは全国委員メンバーを理事と考え、常任委員会メンバーは常任理事ということでもよい。問題は社員である。会員が社員であるとすればいちばん簡単で何の問題もない、ようにみえる。しかし実際は社員総会を開かなきゃいけない。今でも総会は開いているから問題ないだろう。ということですが、今度は定足数というものが問題になってくる。社員の半数以上が出席した総会で、参加者の過半数を以て云々といった条文が必要なのである。会員の半数が出席する総会というのは本来無理である。大会だって、2000人は出席しない。委任状をとるといっても困難だろう、会長選挙だって投票してくださるのは1割である。

 全員参加の総会を持つのはむりだということになると、代議員を選ぶということになる。選ばれた代議員と理事が社員である。この人達、50人とか100人程度が社員総会を開く。これだと定足数を満たすのは簡単だろう。欠席が予想される人からは委任状を貰っておけばよい。大きな学会、動物学会などではこのような代議制民主主義をとっているということでした。

 しかしこれで本当に良いのだろうか。同じ会費を支払っているのに、会の運営に口を挟めない人と挟めるひとがいる。不公平ではないか。現在行っている総会だってほとんどの人は出てこないのだから、それで十分である、というわけにはいかないだろう。権利を持っているが行使しないのと、与えられていないのとでは違うからだ。ではどうすればよいのか。全会員参加の総会で定足数を満たすのは困難だ。でも全会員は同じ権利を持つべきだ。

 難問である。しかしアイデアがないわけじゃない。全会員参加の「会員総会」は今までと同じように開催する。「社員総会」は代議員と理事でやる。社員総会で決めたことでも、会員総会で追認されなければ「決定」にはならないということにしておく。これだと今までと全く同じ仕組みを名前を変えるだけで温存できる。「社員総会」は今の全国委員会に、「会員総会」は今の総会に当たることになるだろう。定款に書くのは社員総会だけ。だが、「会員総会」のことはどこに書いて置けばよいのか。秘密の規約を持っている会などは、不明朗で胡散臭い。

 総会に出席したい人は代議員になれるということにして置いたらどうだろう。極端にいうと代議員証を総会会場の入り口に置いておくのである。出席しようとする人が代議員である。しかしこれもまずいようで、社員の名簿というのは事前に決めて、公表しなければいけないらしい。

 社員総会には誰でもオブザーバー参加でき、誰でも、意見を述べることができることにすればよい。評決には表向きは加われないが、それもその場で、評決にも加われることを臨時に決めればよい。あるいは評決ではないが意見分布をとり、それをもとに代議員が、形式上の評決をすればよい。

 いろいろ議論しましたが、今のところ第3案あたりでどうだろうかと考えているところです。法人化にはまだ大きな問題がありまして、地区会をどうすればよいかという問題も残っています。地区会がそれぞれ独立したNPO法人になってくださればよいのでしょうが、各地区の都合もあるものと思います。

 これらについては、矢原委員長を中心とするワーキンググループで案を詰めていこうということになっています。

▲去年の早春、常任委員会の翌日に、京都御所へ梅の花を見に出かけた。開花していたのは1輪、2輪というところだった。ムクノキの大木をスケッチして帰ってきた。