企画者:関島恒夫(新潟大・院・自然科学),河口洋一(徳島大・院・ 
工)
 
概要:2008年9月25日、新潟県佐渡島において、わが 
国で一度野生絶滅したトキが定着に向けて再度放鳥された。再導入された 
トキは、環境省が定着を期待した小佐渡東部地域には定着せず、佐渡島内 
を広域に分散した。われわれは放鳥したトキが小佐渡東部地域から広域に 
分散することを想定し、2007年に環境省地球環境総合研究推進費の 
助成による「トキの島再生研究プロジェクト」を発足し、佐渡島全域を視 
野に入れ、餌生物量やトキの生態特性に基づく自然再生シナリオを立案す 
る取り組みを進めてきた。さらに、自然再生の推進を図るために、研究プ 
ロジェクトと併行し、トキの生息環境となる農地を対象として関連組織と 
の連携体制の強化に取り組んできた。本シンポジウムでは、トキの野生復 
帰を実現するために実施してきた一連の研究成果を報告する。