企画者:正木隆 (森林総合研究所)
 
概要:森林における樹木群集のダイナミクスや多様性 
維持機構は、従来、 プロットベースでのデータをも 
とに研究されてきた。しかし、Hubble
らの熱帯林における研究以来、局所的な樹木群集も、 
より広い景観スケールの構造から影響を受けているこ 
とが理論的に示されつつある。
そして、さらに視点を広げて、景観スケールでの構造 
は、地理的スケールでの構造の影響下にあるだろう。 
しかし、異なる空間スケール
での事象をリンクさせた森林群集の研究は、緒につい 
たばかりであり、先行したモデル研究を実証的に検証 
する研究がこれからは必要とされ
ている。とくに、景観スケールと地理スケールまでを 
含めた研究は、今後の森林管理や気候変動などの問題 
を考えると、応用的にも重視す
べきテーマである。そこで、このシンポジウムでは、 
林分スケール、景観スケール、地理スケールでの最新 
の研究成果、研究動向を紹介し、研究上の急所や
問題点について認識を共有するとともに、スケール間 
のリンクについて議論を深めてみたい。