| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P1-222

シイタケ原木林施業とチョウ類群集の関係

小林隆人(宇都宮大)・北原正彦(山梨環境研)・大久保達弘(宇都宮大)

生物多様性の保全に配慮した二次林の経営手法に必要な基礎資料を得るため、シイタケ原木林として利用されている二次林の林齢とチョウ類群集の関係を調べた。伐採後0年生、5年生、10年生、15年生、25年生の林分でトランセクト法を行った結果、51種1847個体のチョウが確認された。このうち,17種が草原性の種,34種が森林性の種であった。種数,個体数,多様度H’は0年生で最も低くかったが、5年生で最も高くなり, その後、10年生,15年生では低かったが、25年生で再び高くなった。草原性の種の種数・個体数は5年生で最も多く,ついで0年生で多かった。草原性の種の種数,個体数は10年生,15年生,25年生ではひじょうに少なかったが,これら3つの林齢の中では,25-26年生で最も多かった。森林性の種数は5年生,25年生で最も多かった(両方とも28種)。森林性種の個体数は5年生で最も多く,次いで25-26年生で多かった。重複度指数は,α,Cπとも0年生と5年生の間,および10年生,15年生,25年生の間でひじょうに高かった。以上の結果から,シイタケ原木の林齢とチョウ類の群集構造の関係を検討した。

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