| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-025

カエデ属(Acer)の種子形態と分散能力の関係について

*片桐知之(信州大・理), 佐藤利幸(信州大・理)

植物の母は、一度にたくさんの種子をつける。母の投資は子によって異なることはないのだろうか?種子植物の種子は胚、胚乳以外の組織は親植物に由来する。特に風散布種子の場合、種子の行動や定着位置は親由来の組織である種皮に大きく影響される。

植物個体内での種子のバリエーションを調べるために、樹高に注目して種子の長さ、幅、重さをウリハダカエデ6個体で調査した。

カエデ属の種子は胚を翼状の種皮が包んでおり翼果と呼ばれる。主に風によって散布され、落下時には翼果がクルクルと回転しゆっくりと落下する。この行動により滞空時間を稼ぎ、落下距離を伸ばすものと考えられている。実際にウリハダカエデの種子を用い、羽の有無によってどの程度落下時間に影響があるのかを室内の5mからの落下実験によって調べた。

また、種子の違いは長さや幅、形態ではなくて、着陸位置によって示すのが適切だと考えた。そこで、種子の違いを調べるために、室内で高さ1mの箱を用い、無風状態を目指して種子の落下実験を行った。以上、ウリハダカエデの個体内の種子のバリエーション、羽の有無による滞空時間の影響、種子の落下位置の比較の3点について考察する。

感想。。。温泉をあがって見つけた一本のウリハダカエデにはいろいろな大きさの種子がついていた。高い場所の種子は大きく、低い場所の種子は小さく見えた。大きな種子も小さな種子もどちらも一つの木に付いているのが少し不思議だったが、不自然な感じはしなかった。なにか惹かれるものがあり調査しました。

日本生態学会