| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-165

イノシシ、ニホンジカ、植生、狩猟、農業の相互作用

坂田宏志(兵庫県大),岸本康隆(森林動物研究セ),藤木大介(兵庫県大)

イノシシとニホンジカの個体群動態と植生、狩猟、農業被害との関係を分析する。

データは兵庫県内で5kmごとに集計した、(1)イノシシとシカの密度指標となりうるデータとして糞塊密度調査や狩猟報告に基づく目撃効率、(2)変動する植生の状況を示すデータとして現地調査にもとづく下層植生の状況や堅果類の豊凶などの状況、(3)狩猟の実態を示すデータとして狩猟報告に基づく入猟密度と捕獲頭数、(4)農業被害の状況をしめすデータとして兵庫県内の約4000の農業集落に対するアンケート結果、さらに(5)環境要因として気象条件や植生図、土地利用図などのデータなどを用いる。

これらのデータを用いてパス解析と行い、イノシシとシカの密度指標の時空間的変動の特性や自然植生、狩猟、農業被害などとの相互作用の状況を統計的に記述する。その結果をふまえて、これらの要因間の相互作用や間接的な効果を検証し、保全と管理を行う上で重要な要因を抽出し、将来予測モデルにつなげるための検討を行う。

今回は特に、下層植生の状況と堅果類の豊凶の調査データと農業被害の関係を新しく組み込んで解析するので、森林環境と野生動物と農業被害の関係を検討する部分に重点を置く。

日本生態学会