| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-195

2007年度のキシャヤスデの大発生と今後の動向について

中澤廣樹(信大・理),藤山静雄(信大・理),須賀聡(長野県霧ケ峰自然保護センター)

キシャヤスデは、8年周期で成虫(8齢)が大発生することがよく知られているが、地域により大発生年は異なっている。2007年は大発生年の一部に該当し、長野県内では広い地域で大発生が見られた。筆者らは、これについて実態調査を行った。その結果、今回の大発生は、中信高原から八ヶ岳に至る広い地域で見られた。その多くの地域では7齢による大発生であったが、一部の地域では成虫による大発生であった。両者の発生は、大部分の地域では異所的であった。すなわち、八ケ岳一帯から霧ケ峰地域、美ヶ原からその北の地域においては7齢が大発生していた。一方、8齢は松本市崖ノ湯から三城、和田峠地域に見られた。そして三峰山から霧ケ峰高原に至るかなりの地域では混生していた。この地域における本種の分布については、過去に記録があるので、それらと今回の両者の単独生息地域、混生地域について比較検討した。その結果、今回観察された混生地域は、過去に見られた混生地域よりも、やや広くなっている傾向があるように思われた。その広がりは、本年8齢である個体群の分布域が若干なりとも拡大し、その結果として混生地域が広くなったのかもしれない。このように例外的に生じている混生地域の個体群が今後どのような動向を示すのかは大変興味深い。そこで野外観察された混生状態を参考に、齢の異なる個体同士の間での競合や個体群の動向についての知見を得るために、高密度の混生状態を再現する予備的な室内実験を行った。実験は容器内の個体群密度を2段階とし、本種の7齢と8齢の比率を0:1、 1:2、2:1、 1:0に変えて発育や生存への影響を調べた。調査は現在進行中であるが、結果の詳細を報告する。

なお、今回の調査より2008年度は、さらに大規模な発生が予想される。

日本生態学会