| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


シンポジウム S07-7

南硫黄島調査における外来種対策と今後の課題

加藤朗子*(首都大・理工)・苅部治紀(神奈川県博)

今回調査を行った南硫黄島は、人間の定住記録がなく人為的影響をほとんど受けていない、日本では希有な地域である。海洋島の生態系は外来生物の影響にたいして極めて脆弱であり、非意図的とはいえ調査によって外来生物を持ち込むようなことは避けなければならない。そのため、今回の調査にあたっては、南硫黄島への外来生物の持ち込みを防ぐとともに、南硫黄島から生物を持ち出して父島などに逸出させないことにも配慮した。

一例として、漁船には父島出港の1週間以上前からネズミ捕獲用粘着シートとゴキブリ用粘着シートを設置し、ネズミ類やゴキブリ等を除去した。また父島に密閉したクリーンルームを設置し、南硫黄島に持ち込む物資はすべてチェックして微少な昆虫や植物の種子の持ち込みを防いだ。

さらに南硫黄島から戻ってきた荷物・ゴミは父島到着後ただちにー20℃で一晩以上冷凍した。冷凍後の荷物および、冷凍できないもの(植物サンプル等)は、密閉したダーティールーム内で開封・処理を行い、万が一生物を発見した場合は捕殺した。

以上のような今回の調査で行った外来種対策の詳細とともに、今後の課題についても報告する。なおこれらの結果は、東京都及び首都大学東京により行われた総合調査の成果の一部である。

日本生態学会