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自由集会 W05

渓流の物質循環と生物群集の動態を絡めて考える

企画者: 大手 信人(東大・農), 村上 正志(北大・苫小牧研究林)

考えたいことは,生態系の物質循環システムを駆動するために,生物はどう機能していて,その多様性にどういう意味があるのかを知るために,どんなアプローチをすれば良いのかということである.この自由集会では,渓流や河川という陸域と水域のインターフェイスで,エネルギーや物質の流れの実態と生物群集の動態を調べている人たちのリンクを作り,実際どのような方法で物質循環と生物群集の二つの動態を有機的に捉えることができるのかを渓流周辺の生態系について議論したい.

栄養塩は森林斜面から渓流にどのように供給されるのか,供給された栄養塩はどのように使われるのか,微生物−底生生物−魚類−鳥類と食物網にのって栄養塩のfateはどうなるのか,それが生態系の構造と機能にどう影響しているのか.あるいは,生物群集の動態が栄養塩,エネルギーの流れのどこをレギュレートしているのか,知りたいことは,これまでに個別に現象を追ってきた研究グループ間の協力なくしては明らかにならない.物質の流れと貯留を観測値とするbiogeochemicalなアプローチと生物群集の動態を追う手法とはどこでどのように融合できるのだろうか?

渓流の周りからの栄養塩供給のメカニズムを調べるには 大手信人(東大・農)

河床微生物膜の構造と機能: 河川の物質循環における重要性 中野伸一(愛媛大・農)

底生生物群集の多様性とその生態的機能:分かってきたことと課題 根岸淳二郎(土研・自然共生研)

炭素、窒素の安定同位体比からみた無機物から有機物そして生物までの連環 高津文人(JST・京大生態研)

河川から森林生態系への資源供給を調べた 村上正志(北大・苫小牧研究林)

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