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自由集会 W06

化学物質の生態影響パート2:生態リスク評価の理想と現実

企画者: 加茂将史(産総研・CRM), 池田浩明(農環研), 五箇公一(国立環境研)

現代社会の繁栄は化学物質により支えられていることは明らかであり、私たちが生活する上で欠かせないが、一方で化学物質は生態系に悪影響を及ぼす。化学物質の有用性を享受し、生態系への悪影響を最小にするには、まずリスクの大きさを定量的に評価し、ここまでなら許容できるという上限を知り、そして適切なリスク管理・対策を行う必要がある。それには透明性が高く、科学的方法論に基づき、説得力のある「生態リスク評価」が必要となるが、生態系は複雑であるがゆえ、ヒト健康リスク評価のようにエンドポイント(評価軸)を単純に設定できない等の問題がある。限られた試験生物への影響を評価軸とする効率性を重視したリスク評価が行われるが、その方法はあまりにも単純であると、各方面からの激しい攻撃にさらされる。一方で、評価者は現場では使えない攻撃側の理想論に辟易してもいるのだ。化学物質管理での意思決定において、生態リスクが重要視されるようになった今だからこそ、多くの人が納得のいく「生態リスク評価」のあり方について、リスク評価側と生態学者とが議論を深めることが必要である。この自由集会では、賛成論と反対論(あるいは理想と現実)の立場から話題を提供し、それを踏まえて今後の化学物質の生態リスク評価・管理のあり方について考えてみたい。聴衆の皆さまのご意見も伺いたい。

理想と現実の生態リスク評価:生態学者への期待 内藤航(産総研)

やるだけ無駄なの?生態リスク評価システムの盲点 五箇公一(国立環境研)

日本の河川環境に適した農薬の生態リスク評価:新しい試験法の開発について 横山淳史(農環研)

みんなで作ろう生態リスク評価の新しいフレームワーク 岩崎雄一(横国大・環情)

日本生態学会