| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) PA2-601

北海道における外来両生類トノサマガエルの分布拡大

高井孝太郎(北大環境科学院),岩熊敏夫

本来、日本国内に生息するトノサマガエルは関東と仙台平野を除く本州と四国、九州に分布しているが、外来種として北海道の一部でも生息が確認されている。2006年8月から9月、および2008年8月から9月、北海道、札幌南部の4市町を調査地として調査地内を徒歩でまわり、トノサマガエルの分布についての調査を行った。水田および水路、休耕田、畑作地、市街地内をゆっくりと歩き、見られたトノサマガエルとニホンアマガエルの個体数をカウントし、1分当たりの相対目撃数としてカウントした。2006年では156地点中94地点でトノサマガエルの生息を確認した。2008年では2006年に確認できなかった62地点中22地点で新たにトノサマガエルの生息が確認できた。このことから北海道におけるトノサマガエルの分布は拡大傾向にあると考えられる。2006年と2008年の調査ではトノサマガエルは耕作水田や水路、草地や休耕田に見られたが、畑作地や市街地では確認できなかった。2008年におけるトノサマガエルの分布境界の先には生息ハビタットとなりうる水田地帯が広がっており、今後も分布を広げていくことが考えられる。


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