| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) PB2-672

スズサイコの生育地と生活史

大橋賢(明治大・院・農)

スズサイコ<i>Cynanchum paniculatum</i>は日本全国に生育している植物で,主に草原をハビタットとして生育しているが,環境省レッドデータブックで準絶滅危惧種にランクされている種であり,全国的に絶滅が危惧されている。そのため,本種を保全することは我が国の生物多様性を維持するためにも重要である。しかし現在,保全策を考えるために必要な情報である生育環境や生活史についての基礎的な情報が報告されていない。

そこで,本研究ではスズサイコの生育している草原環境はどのような環境であり,どのような特徴を持った植物であるかを調査した。スズサイコの生育地の環境は,群落の相対光量子密度と自然草高と被度のデータを用いて,主成分分析により解析した。スズサイコの生活史は,葉数や草高や種子重などの個体の基本的な情報と時期ごとの成長や開花率,結実率および種子発芽特性を調査したものである。種子発芽特性を調査する実験は,インキュベータを用いて行い,光条件を暗黒下(暗24時間)および明暗12時間の2条件とし,温度条件を,15,20,25,30℃の恒温下4条件と10〜20℃,15〜25℃,20〜30℃,25〜35℃の変温下4条件の計8条件と設定した。以上の全16条件について3反復行った。なお,1条件につき種子を20粒用いた。この結果を用いてスズサイコの種子発芽特性を考察し,発表する。


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