| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-019

琉球列島におけるゲットウ(ショウガ科)の訪花動物相(予報)

*小林 峻,伊澤雅子,傳田哲郎(琉球大・理)

動物と植物の相互関係については、花粉媒介に関する多くの研究が行なわれている。しかし、それ以外にもさまざまな目的で動物は花を利用していると考えられる。本研究ではゲットウ(ショウガ科)を対象として、その開花時期を通した訪花動物相を明らかにすることを目的とした。ゲットウは亜熱帯アジア原産の多年生植物で、花粉媒介者としてはハナバチ類が知られている。

調査1では、沖縄島、西表島、南大東島でゲットウの開花時期に月1回程度24時間観察を行い、訪花動物を採集した。調査2では、沖縄島で5‐7月にほぼ週1回計13回、設定したルート沿いで花内の動物の種と個体数を午後、夜、朝に記録した。

全調査期間で、沖縄島では9目20科33種以上の昆虫が花の中で観察され、他にもマイマイ目やクモ目等4種以上が記録された。また、西表島では9目22科26種以上の昆虫が記録され、昆虫以外にも3種以上が記録された。南大東島では6目7科9種の昆虫のみが記録された。また、花の中ばかりでなくつぼみなどに訪れる種も観察され、それらの種を合わせると3島で計81種以上となった。

ゲットウを訪れる動物相は、島、時間帯、時期、天候等により異なっていた。その中でも、ハナバチ類は昼のみに採蜜を行っており、島ごとに記録される種構成が異なっていた。他に昼に出現個体数が増加したのはアザミウマ類やゾウムシであり、繁殖行動や採餌を行なっていた。逆に、夜に出現個体数が増加したのはショウジョウバエ、アリ類、ガ類であり、繁殖行動や採蜜が見られた。クモ類などでは待ち伏せらしき行動もみられた。また、湿度が90%以上になるとマイマイ目が急増した。

これらのことから、動物が花を訪れる目的は、採蜜、採餌、繁殖などがあり、それぞれの目的や条件によって花の利用の仕方が異なると考えられた。


日本生態学会