| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-HS06

里山生態園「芝山湿地」における里山生物の復活−ニホンアカガエルとヘイケボタルについて−

*陸芳樹, *信長謙太, 西平拓実(千葉県立船橋芝山高校)

本校のビオトープ「里山生態園『芝山湿地』」にはニホンアカガエルとヘイケボタルが生息しています。どちらも、かつてこの地域に生息していた生物ですが、約40年前の周辺地域の大規模な開発のために絶滅していたため、里山環境を復元した後に近隣の生息地から人為的に持ち込んだものです。

その後ニホンアカガエルは順調に増え卵塊数が増加していきましたが、数年前より卵塊数が減少しており、その原因を探るために継続調査を行っています。一方、ヘイケボタルは毎年成虫出現の最盛期である7月後半には、湿地に設置している木道をひと一巡りすると40〜50匹の成虫を観察できるほどになっています。そこで、本校生徒や保護者、近隣住民を対象に「ホタル鑑賞の夕べ」という催し物も行っています。また、本校の立地する海老川流域内でこの2種の分布調査も行い、ニホンアカガエルについてはわずかに1か所、ヘイケボタルについては3ヶ所だけに生息を確認し、「芝山湿地」がこれら2種の貴重な生息地であることことがわかりました。


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