| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-HS07

岐阜市に生息するカワニナの生息環境と遺伝的多様性

*川島生, 田中啓介, 土井和彦, 長井祐太, 平野恵理(岐阜県立岐山高校)

カワニナ(Semisulcospira libertina)は淡水生巻貝の一種で、日本全国の河川に生息している。今回われわれは、岐阜市の長良川支流に生息するカワニナの生息環境を調査するとともに、遺伝的類縁関係を明らかにすることを試みた。

カワニナは水質階級II(少し汚い川)の指標生物であるため、水質環境が生息に影響を与えることが予想された。そこで、カワニナが確認された長良川支流10ヶ所の化学的水質検査を行なった。その結果、窒素やリンの含有量は低いものの、化学的酸素要求量(COD)が5mg/Lを超える場所でも生息していることが確認された。

次に、岐阜市のカワニナの遺伝的類縁関係を明らかにするため、ミトコンドリアDNAのCOI領域の塩基配列を解析した。これまでに、6ヶ所(岐山高校、八万洞、上西郷、延算寺、畜産センター、雛倉)で採取したカワニナを解析したところ、岐阜市には少なくとも4つのハプロタイプ(I〜IV型)が存在することが確認された。また、岐山高校や畜産センターには、同一集団内に2つのハプロタイプが存在することが確認された。


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