| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T06-5

捕食者特異的な防衛適応がギルド内捕食系に与える影響

*仲澤剛史(京大・生態研, 台湾大・海洋研), 三木健(台湾大・海洋研), 難波利幸(大阪府大・理)

ギルド内捕食(IGP)系は、三種から構成される比較的に小さな群集であるが、資源競争・見かけの競争・食物連鎖といった幾つもの栄養モジュールを含んでいるという点で複雑なシステムでもある。IGP系において最も興味深い根本的な問題は、なぜ三種が共存し、IGPが持続的に維持されるのかということである。なぜなら、単純な数理モデルでは、容易に種の絶滅が予測されるにもかかわらず、IGPは自然界では普遍的に見られるからである。これまで多くの実証・理論研究が様々な視点からアプローチしてきたが、一つの答えが進化や表現型可塑性による行動の変化である。本発表では、まず簡単にこれまでのアイディアを紹介する。そして、基底被食者(basal prey)による捕食者特異的な防衛適応(predator-specific defense adaptation)を組み込んだ新たなIGPモデルを提示し、その解析結果から三種共存の可能性を考察する。


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