| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T20-2

琵琶湖周辺のランドスケープの違いによる鳥・両生類の特徴

天野一葉・夏原由博(京都大学)

水田地帯の生物多様性を回復するための基本的情報として,滋賀県全域における土地利用と鳥類及び両性類の分布の関係を調査した.

土地利用面積率は,国土数値情報(土地利用3次メッシュ)から求めた.林縁長(水田と樹林の接線長)は,土地利用細分メッシュを用い,ArcGISの空間検索機能によって,隣り合う細分メッシュが水田と樹林の組み合わせである場合を抽出し,細分メッシュ数として求めた.調査メッシュ中心から,1kmから5kmまでのバッファを発生させ,バッファ内の土地利用面積率を求めた.

鳥類は,滋賀県の上流域・下流域・平野部を含む水田地帯22地域からランダムに1つの3次メッシュ(1km2)を選び,そのメッシュを十字に4分した各ブロックの中央を定点として,15分間の定点観察を行った.鳴き声又は目視により種を確認して,個体数及び個体までの距離を記録し,種組成や種グループごとに分布の特徴を考察した.

カエル類は,滋賀県内の環境の異なる24箇所で,水田4枚の周囲を歩いて,鳴き声(夜間)または目視(昼間)によって,種を確認した.カエル類の種組成から,モリアオガエルとダルマガエルを指標とすることができた.


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