| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T21 -- 3月18日15:15-17:15 K会場

使えるアリー効果:希少種保全、野生復帰、外来種管理への応用にむけて

企画者: 瀧本 岳(東邦大・理), 宮下 直(東大・農)

アリー効果に注目が集まっている。今アリー効果が注目されるのは、希少種の保全や絶滅種の野生復帰、外来種の根絶や囲い込み、生物防除に使われる天敵の導入などの様々な応用課題においてアリー効果の重要性が指摘されているからである。しかし、その指摘の多くは理論的なもので、実際の課題への応用はこれからである。本集会の目的は、アリー効果に注目した野外研究と理論研究を幅広く紹介しながら、応用課題のなかでのアリー効果の重要性について考える場を提供することである。集会では、まずアリー効果の定義やそれが現れるメカニズムについて解説し(瀧本)、個体群の空間構造によってアリー効果の現れ方が変わることを示した新しい理論研究を紹介する(佐藤)。つぎに、植物個体群を題材に、アリー効果と希少種保全について考える(富松)。また生態系エンジニアリングが生むアリー効果を紹介し、その生態系管理への利用可能性を指摘する(西嶋)。さらに、日本でも盛んになりつつある希少・絶滅生物の野生復帰について、アリー効果の重要性をふまえて今後の方向性を探る(Armstrong[英語講演、スライドに日本語サポートあり])。最後に、基礎研究と応用研究の知見が交流できるような総合討論の場を設けたい。

[T21-1] アリー効果とは何か?どのように生じるのか? 瀧本 岳(東邦大・理)

[T21-2] 集団の空間構造の違いにより変化するアリー効果の現れ方 佐藤一憲(静岡大・工)

[T21-3] 植物におけるアリー効果と希少種保全 富松裕(東北大・生命科学)

[T21-4] 系外資源が決めるアメリカザリガニのアリー効果の強さとその管理への応用 *西嶋翔太(東大・農), 瀧本岳(東邦大・理), 宮下直(東大・農)

[T21-5] Allee effects and directions in reintroduction biology Doug Armstrong(Massey University)


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