| 要旨トップ | ESJ57 自由集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


自由集会 W08 -- 3月15日17:00-19:00 A会場

フラックス研究の中の植物生理生態学〜他分野との連携の現状と今後の展望〜

企画者: 宮沢良行(九大・演習林), 野田響(岐阜大学流域圏セ), 宮崎祐子(北大・創成)

植物生理生態学は特に個葉から植物個体レベルの生態学的現象に注目し、その生理学的なメカニズムの解明を目的に発展してきた。一方、より大きな空間スケールでは、生態系と大気のガス・熱交換(フラックス)の長期観測が様々な生態系において行われてきた。扱うスケールや手法は異なる両分野ではあるが、ガス・熱交換は生理生態学的なプロセスそのものであるなど、共通点は多い。植物生理生態学的な視点は、気象要因とフラックスとの関係について、定量的かつメカニスティックに理解することに大いに貢献するだろう。

こうした中、近年の気候変動に対する、ガス・熱フラックスの応答について、精度の高い将来・広域予測が求められている。これら物理・生理・生態学的な仕組みが介在するプロセスに対し、フラックス研究は様々な計測手法や予測モデルを発達させてきた。このことは、フラックス研究において生理生態学者の参入が期待され、また相互協力できる環境が整備されてきたことを意味している。

しかし学問の背景の違いもあり、連携により得られる学問的なメリットが見えにくいために、連携に二の足を踏んでいる生理生態学者も多いのではないだろうか。

そこで本集会では、気象学の野外計測およびモデル解析に携わってきた専門家二名と、気象研究との連携に参入した生理生態学者の講演を企画した。最前線のフラックス研究の事例を通じて、相互連携の機運を高める場としたい。

個葉から地球までをつなぐ陸域炭素循環研究:その1 〜タワーフラックス観測ネットワークを利用した統合解析〜 平田竜一(北大院農)

個葉から地球までをつなぐ陸域炭素循環研究:その2 〜衛星観測とモデルを組み合わせた広域解析〜 佐々井崇博(名古屋大学大学院環境学)

個葉から地球までをつなぐ陸域炭素循環研究:その3 〜森林CO2フラックスの季節・年変動の生理生態学的解釈〜 野田響(岐阜大学流域圏セ)


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