| 要旨トップ | ESJ57 関連集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


生物多様性関連集会 -- 3月20日10:00-12:00 弥生講堂(東大・弥生キャンパス)

保全生態学研究会サテライトワークショップ:保全生態学の技法

企画者: 鷲谷いづみ(東大・生圏), 宮下直(東大・生圏), 西廣淳(東大・生圏), 角谷拓(国環研)

生物多様性の保全と生態系の健全性の維持は人類社会の持続性の確保にとって不可欠であることが国際的に広く認識され、国内においても2007年11月に閣議決定された第三次生物多様性国家戦略には「生物多様性総合評価」の実施が盛り込まれた。生物多様性総合評価では、日本国内における生物多様性の現状の科学的な評価に加え、有効な生物多様性評価手法の開発を通じて技術面での国際的な貢献が期待されている。

生物多様性・生態系の評価を適切かつ効果的に行うためには、目的に適った新しい調査・分析・予測手法が必要となる。保全生態学を中心とする野生生物を対象とする諸分野では、そのような手法が近年目ざましく発展している。また科学的分析に基礎をおく保全の実践でも、新しい取り組みが進められている。しかし、それらは英語の原著論文として紹介されているものがほとんどであり、そのことが保全生態学の現場でこれらの手法を活用する際の敷居を高くしている一因になっている。本集会では、生物多様性の保全と生態系の健全性の維持にとって意味のある最新の研究手法(分析手法から実践手法まで)を紹介する。

2010年が国際生物多様性年であることに鑑み、生物多様性保全と持続可能な利用のための科学を目指す保全生態学研究会の15年の活動を記念するものとしても開催する。また講演内容は若手研究者が中心となって執筆した「保全生態学の技法」(東京大学出版会から2010年3月発行予定)の内容の一部を紹介するものである。

広域スケールにおける生物の空間分布解析法 角谷拓(国環研)

生物個体数の指標化法 天野達也(農環研)

侵略的外来種の効果的な駆除・研究手法 西原昇吾(東大)

安定同位体を用いた食物網構造と栄養段階の評価法 松崎慎一郎(東大)

環境保全型水田における天敵類の役割の評価法 高田まゆら(帯畜大)

ハイパースペクトルリモートセンシングを用いた植生評価法 *石井潤,清水庸(東大)


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