| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-181

ツキノワグマの大量出没によって遺伝構造はどう変わるか?

*大西尚樹(森林総研・東北),湯浅卓(WMO),森光由樹(兵庫県大/森林動物研究セ),大井徹(森林総研)

ツキノワグマが大量出没した年に遺伝構造がどのように変わるのかをマイクロサテライトDNA解析により明らかにした。

調査は2004年から2008年にかけて富山県で行った。ヘアトラップで回収した体毛および通常年に狩猟により捕獲された個体を通常個体として扱った。04年と06年を大量出没年とし、秋に有害駆除により捕獲された個体を出没個体として扱った。両者のマイクロサテライトDNA6遺伝子座の遺伝子型を決定し、個体間の遺伝的関係と地理的距離について解析を行った。

通常個体群では雌雄ともに距離による隔離の効果が見られるのにたいし、大量出没年の出没個体では遺伝構造は見られなかった。大量出没の翌年には遺伝構造が回復していることから、大量出没時の遺伝構造は一時的なものであり、次世代への遺伝構造には影響しないことが示唆された。


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