| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-197

ブッポウソウの繁殖期における雌雄の役割分担

*水野聖子(岡大院・自然), 木村祐一(日本鳥類標識協会),峯光一((株)南西環境研究所),松島康(岡大・理),三枝誠行(岡大・理)

ブッポウソウ(Eurystomus orientalis)は、渡り鳥で環境省によって絶滅危惧種ⅠBに分類されている。調査地である岡山県加賀郡吉備中央町には5月初旬に飛来する。この地域は、日本野鳥の会岡山県支部が中心となって多くの巣箱を設置した結果、個体数の増加が見られるようになった。2010年現在、町内には174個の巣箱が設置されており、巣箱利用率は76.4%である。本種は、成鳥を標識によって個体識別した行動調査がほとんど行われていない。そこで、個体レベルでの調査の第一歩として、成鳥を捕獲し、繁殖期に雌雄でどのような役割分担がなされているかを明らかにすることを目的に野外調査を始めた。

5月中旬から下旬の本種が巣箱を選定する時期に、巣箱トラップを使用してつがいの片方を捕獲し、個体識別を行った。性判定は、野外での交尾や求愛給餌の行動観察より行った。次に繁殖を確認できた4箇所の巣箱に小型CCDカメラを入り口近くに設置した。雛の巣立ちまで連続的に毎日4時から20時まで、親鳥の出入り等をデジタルビデオレコーダーに記録した。雛の巣立ち後に、記録した映像を目視で解析した。

現在のビデオ解析の結果より以下のとおりである。

1.産卵期は、雄から雌への求愛給餌が見られた。

2.抱卵は、雌雄共に行う。昼間ほぼ同じ割合で抱卵し、夜間は雌のみ。給餌は見られない。

3.抱雛は、雌のみが行う。雄は孵化と同時に雛への給餌を始める。

4.雛への給餌は、雌雄共に行う。

5.1羽の巣立ち後、雄がまだ巣立ちしない雛の世話を行う。


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