| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(口頭発表) E2-19 (Oral presentation)

確率モデルから推定される絶滅までの平均待ち時間について

佐藤一憲(静岡大・工)

絶滅までの平均待ち時間(Mean Extinction Time;以下ではMTEと省略する)は,集団の絶滅リスクを評価するための代表的な指標のひとつである.このとき,絶滅しない確率が正であれば,MTEは無限に大きくなってしまい,絶滅リスクを比較しにくい.そのため,平均の代わりに中央値を利用したり(たとえば,[1]),あるいは割引平均余命([2])を用いることもある.ところで,このMTEを推定するためには確率モデルが用いられるが,たとえば,出生死亡過程や確率微分方程式ではMTEに対する公式も知られている(たとえば,[3,4]).また,これらの確率モデルの間でMTEの比較を行なった研究もある([5,6]).本講演では,上述したようにMTEが大きい場合について,他のモデルも含めた比較をおこなうことを目的とする.

[1] Brook et al (2002) Conserv Ecol 6(1): 16 [2] Matsuda et al (2003) Chemosphere 53: 325-336 [3] Karlin, Taylor (1975) A first course in stochastic processes, 2nd edn [4] Hakoyama, Iwasa (2000) J Theor Biol 204: 337-359 [5] Allen, Allen (2003) Theor Popul Biol 64: 439-449 [6] Allen et al (2005) Math Biosci 196: 14-38


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