| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-211J (Poster presentation)

地表徘徊性甲虫の群集集合に影響を及ぼす要因

*渋谷園実,キクビツェザール,福田健二(東大院・新領域),久保田耕平(東大院・農),大澤雅彦(雲南大)

ある群集が形成されるには、その群集構造を規定する何らかのフィルターが存在すると考えられる。そこでわれわれは地表徘徊性甲虫(オサムシ科:以下甲虫)を例にとって、まずフィルター自体が存在しているか、次にどのようなフィルターが存在しているのか調べる事とした。

最初に甲虫群集の構造を規定するフィルターが存在しているのかについては、rarefaction analysisを用い検討した。その結果、高密度では何らかのフィルターが存在していることがわかった。そこでわれわれはどのようなフィルターが作用しているのか環境要因と競争について検討した。環境要因に関しては、正準相関分析を用いて甲虫種と9つの環境要因との関係を調べ、さらにspecies optimaについて分析を行った。競争に関しては、種内競争については密度と体長との関係を調べ、種間競争については多変量解析を用いて、競争の影響について検討した。

結論として、今回調査対象とした森林における甲虫群集構造の決定には、競争よりも環境要因が大きく寄与していると思われた。


日本生態学会