| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-328J (Poster presentation)

石川県能登地域における里山を伝える人材の育成と生物多様性を理解する教材の開発

*野村進也(金沢大学),赤石大輔(NPOおらっちゃ),中村浩二(金沢大学)

背景:過疎高齢化などによる里山が荒廃して地域の生物多様性が失われつつある現在、地域住民がそれを理解して次世代に伝える必要がある。金沢大学は日本財団の支援を受け「NPO法人能登半島おらっちゃの里山里海」と協働で2010年に「能登いきものマイスター養成事業」を開始した。本事業は2010年度から2012年度までの3年間、能登の里山の生物多様性や生業の関わりを伝える人材「いきものマイスター」の育成を行う。

概要:「いきものマイスター」育成の為、講義や修了課題指導など1年間のカリキュラムを実施する。2010年度は1期生6名が修了し、今年度は2期生 6名が受講している。受講生は石川県内から体験観光案内人、デザイナー、Iターン者、里山保全関係者など様々である。講師にエコツーリズム案内人、体験観光案内人、NPOや保全団体職員らを招き体験観光や保全活動、生物多様性などの講義を行う。

1期生の修了課題及び修了後の活動:1期生の修了課題は、地域資源と観光業、持続可能漁業、伝統漁法による体験観光、地域の食、自然に親しむ為の絵本、里山を学び合うツール作りであった。1期生は現在、伝統漁法の案内、里山歩きの主催など、地域資源による能登の里山案内を行っている。

教材作成:能登の里山に棲む生き物の同定と解説を行い能登の里山の生物多様性を伝える教材として「能登のいきもの大図鑑」という下敷きを作成した。2010年度には能登の水生鞘翅・半翅目を、今年度は能登のカエルを題材に作成した。同様の目的でキノコ、両生・爬虫類、トンボ、水生鞘翅・半翅目を題材に4冊の写真集を作成した。

課題と展望:本事業は修了生と協力して、地域の生物多様性に根差した教育や生業を発展させ、地域による里山資源活用への意識向上を目指し、能登半島の地域活性化を目指す。その為には地域との更なる連携強化が必要である。


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