| 要旨トップ | ESJ59 自由集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


自由集会 W30 -- 3月19日 17:30-19:30 J会場

放射線の生態リスクを考える

企画者: 川口勇生 (放医研),加茂将史 (産総研),林岳彦 (国環研)

東京電力福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質が大気中および海中へ大量に放出され、環境汚染を引き起こしている。それに伴い、ヒトへの健康リスクへの懸念とともに放射線がヒト以外に与える影響に対する関心が集まっている。

放射線の生態リスクについては、放射性核種の環境中や生体内での挙動を中心に生態毒性学を含んだ広い意味での放射線生態学の土俵で検討されてきた。放射線の生態リスク評価は、化学物質の生態リスク評価での曝露量評価および生態毒性試験による影響評価の枠組みを参考に放射線生態学へ応用したものである。一方、放射線生態学と生態学は、70年代には生態学の教科書に放射線生態学の章があるなど交流があったようだが、近年は分野の細分化もあってか分野間の交流は皆無であった。

そこで本集会では、放射線の生態リスクについて放射線生態学の立場から、放射性核種の陸域での挙動、土壌生物への影響、化学物質と放射線の影響比較、生物吸収線量とリスク評価についての講演を行っていただき、放射線生態学と生態学の分野の交流を目指す。

1.放射性核種の陸域環境中での挙動((財)環境研 塚田祥文)

2.土壌生物の放射線影響(横国大 中森泰三)

3.化学物質と放射線の生態影響の比較(放医研 府馬正一)

4.生物線量と放射線生態リスク評価の枠組み(放医研 川口勇生)

5.総合討論:コメンテーター松田裕之(横国大)


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