| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-027 (Poster presentation)

ミクロネシア連邦ポンペイ島サンゴ礁型マングローブ林における地盤高および冠水頻度の違いが生産量に及ぼす影響

*谷口真吾(琉球大・農),藤本潔(南山大),平田泰雅(森林総研),小野賢二(森林総研東北),田淵隆一(森林総研),Saimon Lihpai(Pohnpei State Government)

東カロリン諸島に属するミクロネシア連邦ポンペイ州ポンペイ島は、直径約20kmの円形型の島を囲む堡礁内側の礁原上にサンゴ礁型のマングローブ林が大規模に発達している。さらには、島内の一部の河口域にエスチュアリ型のマングローブ林が成立する。1994年、森林総合研究所とポンペイ州政府森林局の連携により、マングローブ林の動態と炭素固定機能を明らかにするため主要なマングローブ群落内の2か所(サンゴ礁型とエスチュアリ型)に1haの固定プロットを設置し、マングローブ林の長期モニタリング研究が開始された。亜熱帯から熱帯域の潮間帯に発達するマングローブ林の個体サイズは、個体の樹齢よりも潮汐の冠水頻度によって変化することが示唆されている(Fujimoto et al., 1995)。そこで、マングローブの立地要因と生産力の関係を検討するため、地盤高とその位置に成立する樹種別の現存量、過去5回の胸高断面積合計の調査データをもとに期間成長量を解析した。調査地は1994年に設置されたサンゴ礁型マングローブ林の調査プロット(PC-1; 50×200m)である。2010年9月にPC-1の毎木調査を実施した。地盤測量は1994年に行い、個体ごとの成立位置別に地盤高を算出した。出現樹種はRhizophora apiculata 896本、Bruguiera gymnorrhiza 148本、Sonneratia alba 32本の計1,076本である。胸高断面積合計は緩やかに推移する傾向であった。ポスター発表では、樹種ごとの生産量の違いが地盤高の差異に基づく冠水頻度に影響されるかなどの解析結果を報告する。


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