| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-030 (Poster presentation)

木曽駒ヶ岳風衝地におけるオープントップチャンバー内外の気象要素の比較

*浜田 崇,尾関雅章(長野環境保全研),飯島慈裕(JAMSTEC),水野一晴(京大・アジア・アフリカ地域研)

オープントップチャンバー(OTC)の設置による植生への影響については,これまで多くの研究がなされてきた.そのほとんどはOTCと対照区(CTRL)における温度差に注目したものであり,温度以外の環境要素の比較を行った研究例は非常に少ない.そこで,本研究では,OTCとCTRLにおいて,気温,相対湿度,風速,光量子束密度(PAR)の同時測定を行い,それぞれ比較を行った.

調査地は,中央アルプス木曽駒ヶ岳山頂付近の風衝地で,ガンコウラン,クロマメノキ,ウラシマツツジ,イワウメ,ミネズオウなどが生育している.測定は,OTCとCTRLのそれぞれにおいて,気温と相対湿度は地上5cmで1分毎の瞬間値,PARは地上3cmで10分毎の平均値,風速は地上10cmから50cmまで10cm毎に,30分から1時間の平均値を測定した.測定は2012年9月10日から13日の間に実施した.

測定の結果, OTC内の気温は期間平均で0.78℃高かった.特に晴れた日中は,OTC内で約9℃高かった.相対湿度は夜間や曇天時にOTC内で高い傾向がみられた.風速はOTC内で非常に弱く,地上10cmから30cmの高さではCTRLの約20%以下の値であった.またOTCのフェンスよりも上にあたる地上40cmと50cmにおいても,風速の値はCTRLの6割程度であった.PARは両者にほとんど差は見られなかった.以上の結果から,調査地のような風衝地の場合,OTC内で気温が高い理由は,風速の低下による影響が考えられる.ただ,天候によって気温差がみられることから,測定方法の限界を含めた測定誤差についてより詳しい検討が必要と考える.


日本生態学会