| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS06 (Poster presentation)

ミドリゾウリムシが引き起こす回転流について

*海野弘幸,筑地悠妃,足立実佐紀,大塚桃花(静岡県立静岡農業高等学校・生物部),篠田聖児(静岡県立静岡農業高等学校・教諭)

私たちは、通常のミドリゾウリムシ(通称ミドリ)と共生藻を持たないミドリゾウリムシ(同ホワイト)の両方保持している。そこで、ミドリから取り出した共生藻で、ホワイトの再共生に取り組んできた。その過程でミドリが周辺の水に生じる激しい回転流によって共生藻を捕食する瞬間を目撃し、動画の撮影に成功した。これがホワイトであれば、捕食した共生藻が特定できる。そこで、ホワイトを用いて回転流による捕食の観察を何度か行い、夏休みには広島大学で観察させて頂いた。この観察には、カバーガラスの重みでゾウリムシの動きを止めることが必要である。そこで、スライドグラスに垂らす培養液の体積をいろいろと変え、カバーガラスの周辺をマニキュアで封じて乾燥を防ぐ方法も試みた。まだ動画の撮影は成功していないが、ホワイトでも回転流と捕食の瞬間を目撃した。何回かの観察により、回転流は細胞口のはたらきによって生じる可能性が示された。その根拠は、細胞口付近で生じる、移動のための繊毛運動では生じない、プレパラートの隙間が狭すぎて体が軸回転できないと生じない、細胞口が高速で開閉する、細胞口内内の繊毛が激しく波打っている、などである。


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