| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


シンポジウム S02-1 (Lecture in Symposium/Workshop)

ヤマトシジミにおける福島原発事故の生物学的影響

大瀧丈二(琉球大・理)

福島第一原子力発電所の損壊では、大量の放射性物質が環境に放出された。この事故が動物に与えた生物学的影響を評価するための迅速で信頼性のある実験系はこれまでに考案されていない。本論文では、日本で一般的なシジミチョウであるヤマトシジミ(Zizeeria maha)に対してこの事故が生理的および遺伝的な障害を与えたことを明らかにする。我々は、第一化の成虫を2011年5月に福島地域で採集したが、その一部には比較的軽度の異常が認められた。第一化の雌から得られた子世代F1に認められた異常は重度が高く、それは孫世代F2に遺伝した。2011年9月に採集された成虫の異常は、5月に採集されたものと比較して重度が高かった。非汚染地域の個体に対する低線量の外部被爆および内部被曝により、同様の異常が実験で再現された。これらの結果により、福島の原子力発電所に由来する人為的な放射性核種がヤマトシジミに生理的および遺伝的な障害を与えたと結論される。


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