| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


企画集会 T07 -- 3月6日 14:30-16:30 G会場

Eco-evolutionary feedback 研究の今後を考える

企画者: 笠田実 (東大・総合文化), 山道真人 (コーネル大)

従来の生態学において、外的環境と生態学的相互作用によって働く自然選択が進化に大きな影響を与えることはよく知られてきた。その一方で、進化は生態学的な時間スケールより長い期間をかけて起こるもので、生態学的相互作用への影響はほとんどない、と考えられてきた。しかし近年になって、形質の進化は個体数変動や群集の構成変化と同じ時間スケールで起こりうること、さらにこのような「迅速な進化」が形質変異を通じて生態学的相互作用に影響を及ぼすことが明らかになってきた。このように、生態学的動態が進化動態に影響を及ぼすこと、逆に、進化も生態学的動態に影響を及ぼすことがわかってきたが、これら2つの影響を同時に考慮した生態と進化のフィードバック(eco-evolutionary feedbacks)は、これまでごく一部の研究で逸話的に記述されるか、総説の中で重要性が指摘されるのみであった。

そこで本集会では、(1)進化動態と生態学的動態が同時に働くとき、フィードバックの結果として何が起こるのか? (2)どのような条件のもとで進化と生態の相互作用が重要になるのか? といった今後のeco-evolutionary feedback研究における課題を、4人の講演者のそれぞれの研究を通じて議論し、発展の可能性を探って行きたい。

[T07-1] フィールドで群集生態-進化フィードバックに挑む *内海俊介(北大・FSC)

[T07-2] 外来種で進化生態 ー外来植物の急速な進化と植食性昆虫へのフィードバックー *深野祐也(九大・理・生態), 土居勇人(農工大・農), 西出雄大(生物研), 矢原徹一(九大・理・生態)

[T07-3] Eco-evolutionary feedback ーワムシ-藻類系を用いた実験研究ー *笠田実(東大・総合文化), 吉田丈人(東大・総合文化, JSTさきがけ)

[T07-4] 理論的アプローチから生態-進化フィードバックを解き明かす *山道真人(コーネル大)


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