| 要旨トップ | ESJ60 自由集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


自由集会 W27 -- 3月7日 18:00-20:00 B会場

博物館の生態学9 ~標本と自然史情報を利用した研究の新展開~

企画者: 鈴木まほろ(岩手県博), 石田惣(大阪市自然史博), 三橋弘宗(兵庫県立大自然研)

近年の化学分析技術および情報処理技術の著しい向上と普及により、博物館が収集する標本や自然史情報を利用する研究は急増しており、特に生物系統地理学では一般的な手法となりつつある。また、新たなアイデアに基づき、さらなる利用可能性を切り開く研究も次々に生み出されている。

一方、我が国の自然史標本をめぐる社会的状況は厳しさを増しており、標本の価値を訴えるためにも、利活用に向けて諸制度の整備や情報の公開など、多くの努力が求められている。今後は、所蔵する標本や自然史情報をより適正に安全に保管しつつ、利用を促進するための統一的な管理制度の整備を迫られるだろう。そのシステム作りに、アカデミズムからの支援と貢献は不可欠である。

本集会では、博物館が収集する標本や自然史情報の新たな利用可能性に挑戦している若手研究者の方々に、その魅力的な研究の一端を紹介していただく。また、標本や自然史情報の可能性を今後も生かし続けるために、博物館とユーザーはどのような関係を築くべきか、講演者や会場の参加者の意見を交えて議論を行いたい。

博物館標本の種子は生きている! 標本種子を用いた野外集団復元の試み *志賀隆,港翼(新潟大・教育),長谷川匡弘(大阪市自然史博)

市民モニタリングデータから鳥類-液果の相互作用ネットワークを紐解く *吉川徹朗(東大院・農),井鷺裕司(京大院・農)

コウノトリの野生復帰における遺伝的管理の最適化 内藤和明(兵庫県立大・自然研)

標本のゲノムが語る歴史-過去から現在に至る個体群動態の復元と適応遺伝子の探索 岩崎貴也(東大院・総合文化)


日本生態学会