| 要旨トップ | ESJ60 自由集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


自由集会 W31 -- 3月7日 18:00-20:00 F会場

動物コミュニケーション・再考

企画者: 鈴木俊貴(立教大・理), 吉村友里(九大・シス生)

多くの動物はフェロモンや鳴き声などの信号を用いてさまざまな情報を伝達する。このような動物のコミュニケーションは、生存や繁殖にかかわる重要な生物間相互作用を仲介するものであり、古くから動物行動学者や生態学者の広い関心を集めてきた。

コミュニケーションの生態学的・進化学的研究は、近年加速的に進みつつある。古典的には、動物のコミュニケーションは信号の発信者による受信者への「操作」の形で進化したと考えられてきた。それに対して、近年の研究は、単に操作される側として考えられてきた受信者も、信号の微細な違いから驚くほどに複雑な情報を解読し、適応度上の利益を得ることを明らかにしてきた。しかし、蓄積される新規の研究成果とは裏腹に、コミュニケーションの適応・進化を統一的に理解するための理論的な整理は未だ十分におこなわれておらず、現在の当該分野における混乱を招いている。

本集会では、コミュニケーション研究の歴史を辿るとともに、近年得られた知見に基づき、「信号」、「情報」、「意味」といったキーワードの再定義をおこなう。さらに、現在のコミュニケーション研究における見解の対立や混乱を整理するための方策について提案し、当該分野のさらなる発展に貢献することを試みる。

コミュニケーション研究の歴史をたどる *鈴木俊貴(立教大・理),吉村友里(九大・シス生)

コミュニケーションの適応論的解釈 吉村友里(九大・シス生)

コミュニケーション研究におけるキーワードの再整理 鈴木俊貴(立教大・理)

コミュニケーション研究の今後(総合討論) *吉村友里(九大・シス生),鈴木俊貴(立教大・理)


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