| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA1-123 (Poster presentation)

キツネノマゴの花色による訪花昆虫相の違い

立石知也,*井出純哉(久工大・工・教育)

送粉者となる昆虫類は分類群ごとに花の色について好みがある。そのため、花の色が異なると訪花昆虫の種類や数も異なると考えられる。一年生草本のキツネノマゴの花は通常は紫色だが、白色の花をつける変種も少数が各地に分布している。花色の違いによって訪花昆虫相がどのように異なるのかを明らかにするため、紫花と白花が近接して生えている場所で本種を訪れる昆虫を調査した。

午前と午後に一時間ずつ、本種の花を訪れた昆虫をすべて採集し訪花した昆虫の種類を調べたところ、ハチ類が最も多く、次いでチョウ類が多かった。どちらも紫花より白花を多く訪れていた。花の形態を測定したところ、白花の方が紫花より花弁がやや大きかった。本調査地では白花の方が紫花に比べて大きく目立ったため、白花に多くの昆虫が訪れたのかもしれない。本種では紫花に比べ白花の個体は非常に少ない。花色の違いによって送粉において不利になっているのではないかと予想していたが、そのようなことはないと思われる。


日本生態学会