| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA3-135 (Poster presentation)

ハイパースペクトルリモートセンシングを用いた湿生高茎草本群落の植物種の分布推定

*石井潤(東京大・農),鷲谷いづみ(東京大・農)

関東平野の北部に位置する渡良瀬遊水地は、本州以南で最大の面積(約3,300ha)を持つ湿地帯であり、ヨシとオギの高茎草本群落が発達する湿地の中に、全国的に絶滅が危惧される植物が60種生育する生物多様性保全上重要なウェットランドの1つである。近年、侵略的外来植物セイタカアワダチソウが広範囲に分布することが確認され、その対策が課題となっている。現在、東部に位置する第二調節地(約500 ha)において、国土交通省により外来種対策を兼ねた湿地再生事業が計画されており、2006年度から絶滅危惧種とセイタカアワダチソウの大規模な分布調査が行われている(10 m×10 m方形区、出現種の個体数の順位データ、2009年度までに11514方形区の調査が終了)。本研究では、この実分布データを用いて、航空機搭載型ハイパースペクトルリモートセンシングによる絶滅危惧種とセイタカアワダチソウの広域モニタリング技術の可能性を検討する。これまでに取得した分布データによる技術開発が可能となれば、新たな現地調査を必要としない早期対策に資する技術となる。解析では、一般化線形モデルを用いて、目的変数を各植物種の在・不在データ(個体数データから変換)、説明変数をMNF変換したハイパースペクトルデータとして、AICに基づくモデル選択を行う。モデルを構築する際、分布データを学習データと検証データに分けて、推定精度を評価する。また、学習データの個数を変化させて、推定精度との関係を検討する。ベストモデルを用いて作成した各種の分布図に基づき、Moran‘ s Iを用いて距離クラスごとの空間自己相関の値を算出し、空間パターンを分析する。これらの結果から、技術開発のために必要な現地調査データの方形区数と大きさについても検討する。


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