| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS16 (Poster presentation)

絶滅危惧昆虫オオムラサキを活用して地域の活性化をはかる

*大濱美穂, *笠山良美, *金山美咲, *松山紗月, 藤岡望, 田伏美貴, 三日月茜 (大阪府立枚岡樟風高等学校)

大阪府立枚岡樟風高等学校では,地元生駒山におけるオオムラサキの生息環境の保全と地域のシンボル化を目指した教育活動の一環で,枚岡公園周辺のエノキ約100本を対象にオオムラサキの越冬幼虫数について2011年よりモニタリング調査を行っている.

その結果2010年の予備調査においてエノキ1本あたり平均2.6個体いたオオムラサキ幼虫は2011年〜2013年の3年間でそれぞれ2.4,1.8,1.2個体と減少している事が判明した.この理由としては,2012年にオオムラサキ幼虫が114個体も確認されたエノキもあったことから降水量等の気象による影響とは考えにくい.競合種ゴマダラチョウ幼虫は2011年から1.0, 0.3,1.4個体と低い値のまま現在に至っているが、ちょうど2011年から2013年にマイマイガの大発生が当地で起きたことから、これによる影響の可能性がある.

今後,引き続きモニタリング調査を行うと共に,地元でのオオムラサキの観察会やグッツの配布,近隣幼稚園での飼育指導などを通し,身近な希少生物の保全に対する地域住民の意識を高め,地域に新たな活気を生み出す原動力の一つとしていきたい.


日本生態学会