| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS21 (Poster presentation)

カワニナを通して考える地域の生態系

*池田伊吹, *中山拓磨, *毛利匠, *森佳穂(岐阜県立岐山高等学校生物部)

岐阜市内では、平成22年度までホタルの保護活動のために琵琶湖固有種のカワニナ放流が行なわれていた。放流の影響だと考えられる縦肋の多いカワニナを岐阜市内の河川で発見し、そのカワニナと琵琶湖固有種との関係を研究した。縦肋の多いカワニナを発見した伊自良川を調査した。1kmごとに流速、川底の土、縦肋の多いカワニナの割合を調査した。縦肋の多いカワニナは流速が遅く川底の土が細かくなっている所に多く生息していることが分かった。また、琵琶湖湖底の環境と縦肋の多いカワニナが生息している環境は非常によく似ていた。川底の土の違いによるカワニナの移動行動の変化を調べた。室内で土の粒径を変え、インターバル撮影を行い移動行動を調べた。縦肋の多いカワニナは細かい土の上でも自由に動き、細かい土にも適応する。遺伝子解析による分子系統樹の作製を行い縦肋の多いカワニナの種の特定を試みた。縦肋の多いカワニナはタテヒダカワニナ(琵琶湖固有種)と遠縁であり、広域種であるクロダカワニナと近縁であることが分かった。しかし、縦肋の多いカワニナとクロダカワニナは殻の模様が異なっており、クロダカワニナと断言する事はできない。


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