| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS45 (Poster presentation)

里山を利用した循環型社会の構築 -森林樹木調査を通して-

*沖中司, *折元裕太, 久保田圭貴, 佐藤啓一郎, 橋本湧哉, 福岡瑞樹, 麦谷翼, 森岡楓斗, *山際遥己, 横田佳直(広島県立西条農業高等学校緑地土木科)

本校では平成16年度から緑地土木科を中心に,地元西条・山と水の環境機構が行っている「山のグラウンドワーク」に参加している。これは,西条の伝統産業である酒造りに必要な水を守る活動で,水源である龍王山の雑木を除伐・整備することで日光がしっかりと地面まで届き,樹木の成長を促し酒造りに適した地下水を得ることにつながっている。「山のグラウンドワーク」は年5回程度実施され,除伐作業の他に里山に関する講義を聴く機会もある。この活動を通して,地元西条をはじめ各地で里山が放置されている実態があり,里山を保全していくことは森林の持続性を高め,循環型社会につながることを体験し理解した。ここで,学校の敷地内にある森林の一角に管理林区域(面積10m×10m)と放置林区域(面積10m×10m)を設け,さらに,それぞれの区域を2分割し,一方を落葉放置,もう一方を落葉除去の合計4つの区域で樹木の生長の比較調査を継続してきた。すなわち,里山を人手によって管理していくことが循環型社会の構築にいかに大切であるかを実証させるためである。現在,2年が経過しようとしており,設定区域内にある全ての樹種について2回の胸高直径の測定が終了した。データは胸高断面積(cm2)で処理しており,樹木数,生長率などを各区域で比較した。


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