| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS51 (Poster presentation)

ダイコンとストレスⅤ

*大西満希, *飯村彬, *松島耕平 (広島県立広島国泰寺高等学校)

ハツカダイコンを暗所ストレスから解放するとどのような変化がみられるかを播種3日後,5日後のサンプルを光量の異なる場所に安置し,1時間おきに葉緑素量を測定する実験で明らかにしようとした。

その結果,5日後の実験では,葉緑素量は光照射(430LX・830LX)してから1~4時間までは急速に,その後緩やかに増加し,9時間後には1日間光照射したサンプルとほぼ同じ値になった。3日後の実験で,4種類(230LX・430LX・630LX・830LX)の照度で実験すると,230LX以外は,照度に反比例して葉緑素量が増えることがわかった。そのため,光量と葉緑素量を調整するシステムがあり,光を受けると極めて早い時間で葉緑体を合成・分裂させるのではないかと考えた。また,ダイコンは直根型のため,根の周辺条件を変え,根の肥大化の条件を研究した。

土では根が肥大化したが,水耕栽培,ビーズ,寒天培地では根が肥大化しないことから,根の肥大化には周囲に適切な圧力が必要だと考えられる。根が容器の底に到達していたことも根が肥大化しない原因の一つであると予想される。

葉緑素の調整システムの調整物質を解明できれば,葉緑素を人為的に増加させ,夢の「緑のダイコン」を作成できる可能性が広がる。


日本生態学会