| 要旨トップ | ESJ61 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


シンポジウム S12 -- 3月15日 14:30-17:30 D会場

認知生態学の夜明け

企画者: 上田恵介(立教大学・理学部)

動物はその動物自身の系統的に制約された感覚を用いて、まわりの環境世界を認知して生きている。しかし鳥には鳥の、コウモリにはコウモリの環境認知の特性とバイアスが存在する。動物の環境認知の能力は多様であり、しかも万能ではない。発信者と受信者の間で、信号が正確に、また正直に伝わらないとき、それは認知の誤作動を生みだし、とくに受信者に大きな淘汰圧をかける。高度な中枢神経系を持った動物は、まわりの環境を柔軟に認知しようとするがゆえに、間違いを起こすのである。擬態や托卵、オスの派手すぎる装飾形質といった自然界にあるさまざまな奇妙な現象は、この認知の誤作動によって進化した形質ではないか、というのが企画者の発想である。このシンポジウムは、鳥を研究する4人の研究者が信号の進化について語る。

[S12-1] 数で騙す!ージュウイチ雛は知能犯?ー  田中啓太(立教大・理)

[S12-2] 社会生態と認知:カラス科鳥類を例として  伊澤栄一(慶応大・文)

[S12-3] 動物の音声コミュニケーションにおける指示性と意味の理解  鈴木俊貴(総研大・先導科学)

[S12-4] 昆虫の擬態を進化させた鳥の感覚世界  上田恵介(立教大・理)


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