| 要旨トップ | ESJ61 自由集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


自由集会 W12 -- 3月14日 15:45-17:45 D会場

熱帯高山帯における氷河後退域をとりまく自然の現状と展望:地理学と生態学のコラボレーションから

企画者: 廣田充(筑波大・生命環境), 水野一晴(京都大・アジア・アフリカ地域研究科)

最新のIPCC第5次報告書にもあるように、今日の気候システムの温暖化について疑う余地はない。高緯度地域や高山帯における気温上昇は、氷床や氷河の縮小さらに消滅を引き起こし、周辺生態系のみならず地球全体にも深刻な影響を与えつつある。今回紹介する熱帯の高山帯も例外ではなく、アフリカ大陸のキリマンジャロにおける氷河の急激な縮小は、その一例と言えるだろう。その重要性と緊急性は認識されているものの、熱帯の高山帯における温暖化を中心とした環境変動に関する知見は、他の地域にくらべ圧倒的に不足している。その主な理由として、調査環境の厳しさに加えて遠隔地にあること等が挙げられ、これまでの知見は、限られたグループや分野からの報告例によるものがほとんどである。しかしながら、実際に起こっている環境変動は様々な面で顕著化しつつあり、多面的に環境変動の実態を明らかにすることが不可欠である。このような背景のもと、我々は地理学と生態学をベースとする様々な専門分野からなるチームを結成し、2012年からボリビアの熱帯アンデスの氷河後退域を調査地として研究を展開している。調査地へのアクセスが難しいこともあり、幸運にも(?)我々は、寝食を共にし合同調査を行ってきた。これらの調査結果を紹介しながら、熱帯高山における氷河後退域の環境変動の実態と今後の展望について、熱く議論していきたい。

[W12-1] 趣旨説明:熱帯高山を学際的に研究する意義ーボリビア・アンデスの研究事例からー  水野一晴(京都大・アジアアフリカ地域研究科)

[W12-2] 熱帯アンデスにおける氷河作用  長谷川裕彦(山岳地理学研究所)

[W12-3] 熱帯アンデスにおける周氷河環境  高橋伸幸(北海学園大・工学部)

[W12-4] 熱帯アンデスの氷河後退域での土壌発達  山縣耕太郎(上越教育大・学校教育)

[W12-5] 熱帯アンデスの氷河後退域での植生発達  吉田圭一郎(横国大・教育人間),廣田充(筑波大・生命環境)


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