| 要旨トップ | ESJ61 自由集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


自由集会 W25 -- 3月17日 14:30-17:30 B会場

生態系の物質循環の仕組みを記述する微生物生態学

企画者: 大手信人(東大・農), 山本京祐(産総研)

例えば、「森林の尾根と谷とでは卓越する窒素プールの形態が異なる」といった窒素代謝の空間的な分布について、我々はこれまで「無機化(アンモニア化成)と硝化の水分依存性の違いによって生じる」というような解釈をしてきました。しかし、こうした生態系機能の有様は、アンモニア化成菌群集、アンモニア酸化菌群集の動態が空間的に異なるというようなコンテクストで本来説明されるべきだと思います。つまり、これまで野外で、環境条件に対する生物地球化学的な応答と見ていたものを、種々の細菌の生理・それぞれの個体群動態・群集内の多様性の消長の3つをつなぐようなメカニズムに踏み込んだ説明が可能なのではないかと考えます。微生物が活躍する土壌圏や水圏のこうした反応群は、いわゆる生物多様性が生態系機能に及ぼす影響を直接的に記述できる現象かもしれません。この集会では、

1) 森林における微生物の窒素代謝機構に遺伝子解析を活用してアプローチしている方、

2) 微生物の多様性と機能発現の関係性をメタゲノムの方法論を用いて調べようとしている方、

3) モデリングというアプローチで微生物群集と生態系機能のつながりを議論しようとしている方

をお招きして、三方向から次の一手を考えます。

ディスカッションリーダー: 村上正志(千葉大・理)

[W25-1] 森林生態系における微生物の窒素代謝機構:遺伝子解析によるアプローチ  磯部一夫(東大・農)

[W25-2] 環境撹乱後の修復過程における微生物代謝機能及び遺伝子多様性のダイナミクス  濱村奈津子・片岡剛史・黄鶴(愛媛大・沿岸センター)

[W25-3] 植物の機能的形質と土壌微生物の多様性から植物・土壌間フィードバックを紐解く:モデリングを用いた考察  三木健・柯柏如(台湾大・海洋研)


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