| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(口頭発表) G2-34 (Oral presentation)

日本のγ多様性を最大化する:どの種を指標種に、何のインデクスを計測するか?

*山中武彦1, 大澤剛士1, 二橋亮2,角谷拓3, 望月淳1, 池田浩明1,山本勝利1(1農業環境技術研究所,2産業技術総合研究所,3国立環境研究所)

日本全体のγ多様性を最大化するための保全優先エリア設定問題を考えた時、トンボ、蝶、維管束植物のどれが最も良い代表グループとなるか、マルチ タクソン評価を行った。評価は、オンサイトの生物種数(α多様性)、希少種数、地点間の相違を最大化する指標(=コンプリメンタリティ、β多様 性)の3つの指標で行った。その結果、種数が格段に多い維管束植物を代表グループに、コンプリメンタリティを指標とした場合、トンボ・ 蝶も効率的に保全できることが分かった。α多様性は指標としてパフォーマンスが一番悪く、どのグループを代表にした場合でも、ランダムに保全優先エリアを 設定した場合と大差なかった。α多様性よりもβ多様性に着目して日本全体のγ多様性最大化問題を考えていく必要がある。


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